ヤブミョウガの仲間の育て方
育てる環境について
ヤブミョウガの育て方としては、置き場所がポイントです。野生のものを探していると林の中に見つけることが多いです。林の中なので、あまり日の当たらないところに自生しているから、当然ながら、日当たりのよくないところに置いてあげると良いです。そのため、庭で植えるのであれば、日陰のところに置いてあげると良いです。
実際に、ヤブミョウガという名のとおり、「藪にいるミョウガ」ということもあり、藪の中にいることを好みますので、暗いところが良いです。できるだけ自然に近い、薄暗い藪の中のようなところに似た環境を作るとベストです。しかしながら、暑さには比較的強いです。もちろん、真夏になると、さすがに30度以上になるほどの高温になりますので、日陰が必要です。
真夏の時期に直射日光にあたると葉が傷みますので、注意も必要です。非常に頑丈な植物なので、生育環境は置き場所だけ気をつければ問題ありません。水やりについては、そこまで管理する必要もありません。もちろん、水切れが継続的に続くと、少し問題が発生します。しかしながら、水やりをかなり怠っていても、育成には問題ありません。
強いて弱いところを挙げるとすると、寒さに少しだけ弱いです。植え替えをするときは、春の時期に行うことをお勧めします。この時期になると芽が出始めるので、植木鉢であっても庭に植えるのであっても、どちらでもかまいません。成長力も非常に強く、基本的に放置しても勝手に生育します。
種付けや水やり、肥料について
ここではヤブミョウガの栽培方法について書いていきます。種付けについては、このヤブミョウガは非常に繁殖力が強い植物のため、放置していても勝手に種付けが行われています。そのため、特に何かを用意したりする必要はありません。成長力が強いです。種子であっても自然放置で十分に成長できます。
ちなみに、園芸用では販売されることがないので、なかなか手に入れることができません。種子を鳥が運んでくれるのを待つか、自然のものを入手するか、基本的には二つに一つしかありませんが、最近は関東を中心に扱う店も出てくりょうになりました。水やりについては、暑さに対する耐久力が強く、定期的に水やりをする必要もありません。
もちろん、種から育てる場合においては、水をたっぷりとあげないと発芽しません。しかしながら、発芽した後は水やりはあまり必要ではありません。肥料については、特に必要ありません。成長力がとにかく強いです。雑草と同じレベルで強いので、土質も選びません。それでも、肥料にこだわりたいという方には、油カスを入れると良いです。
時期としては春頃が良いです。ちなみに、植え替えをしたいときは、春頃に行うのがベストです。春になると芽が少し出てきますので、それが植え替えのポイントです。ただし、成長しすぎたときに植え替えをするのはあまりお勧めできません。それというのも、地下茎が横に這うように伸びますので、植え替えのときに大雑把にやってしまうと、傷つけてしまいます。
増やし方や害虫について
ヤブミョウガの増やし方については、特に特別なものは必要ありません。成長力と繁殖力が非常に旺盛ですので、種子を手に入れたら、最初の水やりだけ注意して、そのあとは放置していてもしっかりと繁殖できます。種子以外での増やし方について言及するとすれば、地下茎を使った増やし方があります。地下茎で増殖することができれば、秋頃には果実をみにつけ、そこから種子を入手してよりいっそうの繁殖が可能になります。
とにかく強健なので、育てやすい植物のひとつといっても過言ではありません。乾燥には若干弱いので夏場は少し水やりをして乾燥気味の状態を緩和してあげるのも良いかもしれません。もちろん、しばらく放置しておいても、しっかりと成長してくれます。種子や地下茎以外での増殖方法を言うと、あとは自然に任せることです。
庭で育てているのであれば、鳥がやってきます。その鳥が運んだ果実から生まれてくるかもしれませんし、その反対もあります。強いて注意することを挙げるとすると、その旺盛な繁殖力です。放置しておくと、育てているヤブミョウガの周りがヤブミョウガだらけになるという点です。
どんどん増殖してしまって外観を損ねることにも繋がりかねないので、その点は管理しなければいけません。他にも株分けをしえ増やすこともできます。害虫対策としては、アブラムシが群がってきますので、駆除する必要があります。さすがに頑健とはいっても、植物の液を吸われると弱体化します。発見し次第、殺虫剤で散布します。
ヤブミョウガの仲間の歴史
ヤブミョウガの名前の由来について書いていきます。藪に生えるミョウガということから、ヤブミョウガという名前が付けられました。これは葉っぱがミョウガに似ていることから名付けられました。ヤブミョウガという名前から昔の日本人は、ミョウガ科に属していると考えていましたが、遺伝子学の研究が進んだ今では、明確にミョウガかに属さないということが判明しています。
名前が似たようなものでショウガがありますが、これはミョウガ科の花です。ヤブミョウガはツユクサ科の花です。したがって、ヤブミョウガの仲間はミョウガではなくツユクサです。ちなみに、ミョウガは歴史書にも記載があります。古くは「魏志倭人伝」に最古の記述があります。その趣旨は日本ではミョウガの栽培をしており、食用にしていると書かれています。
日本に記述した最古の歴史書にまで記載がありますから、日本人には古くから利用されてきた植物ということができます。具体的には食用としての野菜として利用されてきました。天ぷらなどがその代表例です。あるいは、薬味としても利用されてきました。これは独特の芳香を発するので非常に人気がありました。
日本人はこうしたミョウガとヤブミョウガを混同してきたのですが、同じものとして非常に親しまれてきました。ちなみに、ミョウガとショウガの名前は面白い由来を持っています。中国大陸からショウガとミョウガが日本に持ち込まれてきましたが、香りの強い一方をセウカと呼び、香りが弱い方をメウカが転じてショウガ、ミョウガとそれぞれ今の名前になったといわれています。
ヤブミョウガの仲間の特徴
ヤブミョウガの特徴について言及していきます。花の特徴については、茎先に花序を出して、白い花をたくさん咲かせます。花の種類としては、両性花と雄花があります。直径は非常に小さいもので、1センチ程度です。花弁は3枚程度あります。1株につき雄花と雌花があります。雄花と雌花とでは、雌しべの大きさが異なります。すなわち、雄花では雌しべが小さく、雌花では雌しべが非常に大きいです。
雄しべは6個あります。開花時期としては、8月から9月頃です。葉の特徴については、茎の上部に7枚程度の葉をつけます。葉の長さは、15センチ程度あります。果実の特徴については、形は球状で、色は青紫色をしています。生息地としては、日本の関東地方の以西から九州地方まで分布しています。これは鳥がヤブミョウガの果実を好み、幅広く広めたことがその原因と考えられています。
日本以外ではアジアに広く分布していて、中国や朝鮮半島にも広く分布しています。基本的には暖かいところを好みますので、自生しています。アフリカ、中米などの亜熱帯地域にも分布しています。原産地としては、日本を中心にして東アジアになります。
植物の分類上では、ツユクサ科の多年草に分類されます。草丈としては1メートルに達するものもあれば、小さいものだと50センチ程度のものもあります。生育上の特徴としては、かなり頑丈です。花言葉は「報われない努力、苦しみを和らげる」です。育成上の性質としては、日陰を好みます。
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