スズランの育て方
日常の育て方
スズランは、日当たりよいところが育ちやすく、高温多湿が苦手なので地植え栽培は明るい日陰にするようにします。鉢植え栽培は、春と秋は日当たりのよい場所に置き、夏は暑さを避けた風通しのより明るい日陰に置くようにします。暑さで葉を痛めてしまうと、翌年の花付きに影響します。晩秋は自然に枯れるまで葉を保つことが大切です。
北海道でも育つほど寒さには強く、頑健です。特に土も選びませんが。繁殖力旺盛なので弱い植物の近くにあると、駆逐することもあります。冬に地上部は、刈り取ってしまいます。実がなった場合は、鑑賞してもいいですが、種から爆発的に増えるので増えすぎないように落ちる前に刈り取った方がいいです。
水やりや肥料のやり方、育て方
スズランの鉢植え栽培の場合、生育期の春から秋は土の表面が乾いたらたっぷり水を与えます。スズランの地植え栽培は、真夏などの蒸発の激しい時期以外は水やりは、雨で十分です。冬は休眠していますが、土を湿らす程度に霧吹き等で水を与えましょう。強い乾燥を嫌うので、一年中を通して乾かさないように気を付けましょう。
夏場は、暑さを避けるとともに乾燥にも注意しましょう。スズランは肥料はたくさん必要ありませんが、少量与えると花付きもよくなります。春に芽を吹く直前と花後にゆっくりと効くタイプのものを与えます。地植え栽培は、腐葉土などの有機質がたっぷり入っていたら、さほど肥料に気をつかわなくてもよく育ちます。
植え替え・種付けのやり方、育て方
スズランの植え替えは休眠期の冬に行います。休眠期は株ができあがっていて、花芽もすでに作られています。少々根や茎を傷めても、その後の成長に影響が少ないです。冬でも厳寒期は避けたほうがよく、お勧め時期は11月~12月と3月です。地下茎が長く伸びるので、鉢植え栽培は1~2年に1回を目安に行います。
地植え栽培も、3年~5年で地面の中で株が込み合って窮屈になるので、株分けを兼ねた植え替えをします。芽の先端が地表すれすれの位置に来るように植えるといいです。スズランの花が咲き終わったあと、種が取れます。種付け方法は、小豆色の皮をはがして、中の種を取り出します。わずかに付いた果肉も洗い流し、種付け用土に撒きましょう。
種付け栽培の育て方だと、根気のいる方法なので一般的にはあまり行われない方法です。また、実も花終わりに付くものですので、花が咲き終わった後に根元から切り取ってしまうので、あまり目にすることがありません。
スズランの毒性
きれいな花には毒がある。と言うように、このスズランにも、強心配糖体のコンバラトキシン、コンバラマリン、コンバロシドなどを含む有毒植物です。特に、花や根に多く含まれますので、植え替えや種付けなどを行った後は必ず手を洗ってください。切り花のスズランを活けていたお水にも、毒性があるので誤飲しないようにします。
北海道などでも、三歳として珍重されるギョウジャニンニクと外見が似ていることもあり、誤って摂取して中毒症状を起こす例が報告されています。摂取した場合は、まずは嘔吐、腹痛、下痢などの消化器障害が現れます。それについで、心臓の症状が現れます。はじめは脈拍は異常に早くなったり、遅くなったりと落ち着かなくなります。
次第に心筋の異常興奮のため、脈拍が不規則になったり、細弱となり呼吸も浅くなります。手足が冷えて、痙攣が始まり、めまいが起きて立ち上がれなくなります。そして、息ができなくなり、呼吸困難になります。その他の症状として、多尿、タンパク尿、頻尿などの腎炎症状も現れます。
重症の場合は、昏睡状態に陥り、四肢脱力、呼吸麻痺、麻痺性イレウス(腸管の筋肉の不調により食物が通過できなくなり、腸管がつまってしまった病態)の症状を示し、最後には死に至ります。人間だけじゃなく、犬も気をつけましょう。散歩時などにも気をつけてあげるようにしましょう。
おなかを痛そうに丸めてじっとしていたり、口のまわりに白い泡が付いていたりしたらよく見ていてください。よだれが多い時や吐き気や嘔吐、下痢がみられるようなときは、中毒を起こしている危険性があります。ひどい場合はぐったりしていたり、ひきつけや痙攣を起こすことがあります。ふらふらしてまっすぐ歩くことができなくなったり、反応が鈍い場合は、緊急を要します。すぐに緊急病院に連れて行き、処置をして下さい。
犬は散歩の途中で道端に咲いている草花をよく食べようとします。植物を食べる原因として考えられているのは、たまたま口にした時の食感が気に入ってしまったとか、飼い主さんの反応が面白くて癖になっているなどが挙げられます。
「幸福が帰る」「幸福の再来」「純粋」とうたわれ、昔から「愛する人への贈り物」として親しまれてきた可憐な花です。2011年に行われたイギリスの王子の結婚式の時にたくさんの「スズラン」が使われていました。控えめな花が花嫁を引き立ててくれる、可憐な花です。
スズランの歴史
春を訪れを知らせる代表的な花です。日本原産のスズランとヨーロッパ原産のドイツスズランがあります。ドイツスズランは、草姿および花ともに大型で丈夫です。葉と花が同じ高さで開花し、香りが強いです。日本のすずらんは本州中部以北のほか、朝鮮半島、中国に分布します。
湿地が多かったかつての生息地、北海道に広く咲いていました。北海道の初夏を代表する花でした。昭和45年には、市の花になり、市民に親しまれていました。ですが、乱獲で数が激減しました。全道的にみても自生のするものは激減しました。現在、花屋等で見かけるものは、外来種です。
フランスでは、5月1日に愛する人やお世話になっている人にこの花を贈る習慣があり、もらった人には幸運が訪れるという「すずらんの日」があります。また、この花にはこのような伝説もあります。森の守護神セント・レオナードが修行のために出かけた際、彼は森の中で道に迷ってしまい、大蛇に襲われてしまいます。
瀕死の重傷を負いながら、大蛇をうち倒しました。傷も大きく、血だらけになった彼が倒れこんだ草の上で、目にも鮮やかな白い花が一斉に咲き始め、彼の体の傷と、精神的な傷を癒し始めました。森の精霊が大蛇を倒した彼のために、スズランを咲かせ彼の傷を癒したそうです。
このような伝説から、この花は「癒し」、「平静」、「幸福」を意味するようになったそうです。属名のコンバラリアは、ラテン語のコンバリス(「convallis:谷」+「leirionユリ」)が語源で「谷間のユリ」という意味です。同様に英命は”Lily of the Valley”となります。
スズランの特徴
ユリ科スズラン属の多年草です。葉に隠れるように鈴のようにひっそりと咲き、山野草として扱われますが、高温多湿に弱くてやや育てにくです。なお、全草に強心配糖体のコンバラトキシン、コンバラマリン、コンバロシドなどを含む有毒植物です。有毒部質は、特に花と根に多く含まれるので、取り扱いに注意しましょう。
摂取した場合は、嘔吐、頭痛、めまい、心不全などの症状を起こし、重症の場合は死に至る場合もあります。日本のすずらんもありますが、日本の多くの花屋に置かれているのはドイツすずらんです。ドイツすずらんは、日本のすずらんより花も大きく、香りも特徴です。
バラ・ジャスミンと並び、三大フローラルノートと呼ばれ、いくつものすずらんの香水が出ているほどです。すずらんの香りは、「聖なる香り」と言われ、好きな人にふりかけると自分に振り向いてくれる。と言う言い伝えもあります。
下記の記事も詳しく書いてありますので、凄く参考になります♪
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