ルコウソウの育て方
ルコウソウの種付け
ルコウソウの育て方を見ていきましょう。ルコウソウの種を栽培する時期は5月の中旬から下旬が最も適しています。緑のカーテンとしての利用を考えるのであれば、8月から9月にカーテン状にすることを踏まえ、気温が高ければ4月中旬から、遅くとも6月の中旬には開始してください。但し寒さに弱いことと、発芽に適した温度が20度から2度であるため、早蒔きにならないように注意してください。
種付けは種を購入してそれを直接栽培するか、あるいは苗を購入して定植させる方法があります。種で栽培する場合の育て方は、種皮が硬いという特徴から、蒔く前に一晩水につけて、十分に膨らんだタネを用いてください。蒔いたら1cmから2cm程、土で覆いましょう。苗を植える場合は、ポリポットの底穴から白い根がわずかに見えている程度の苗が望ましいです。
自分で種から苗を育てた場合も、購入する際もこの苗の状態を目安にすると良いでしょう。初年度は購入するか譲り受けるかする必要がありますが、次年度以降は収穫した果実から採った種で種付けし、育苗や定植をさせることが可能です。果実が茶色くなったことを見計らって種を採取し、冷暗所で乾燥保存して次年度の種付け時期まで保管しましょう。放置していても、こぼれダネで増える特徴も持っています。
ルコウソウの植え付け
ある程度大きくなった苗を地面に植え付けします。ルコウソウは生育がおう盛なため、地植え向きの植物です。30cm程、株同士の間を空けて植えましょう。もし庭などがなく、地植えができない場合は、土がたっぷり入る大型のプランターなどを活用すると上手く育ちます。
地植えの場合の育て方は、苗を植える2週間ほど前に苦土石灰を1平方メートルに対し100gの割合で混ぜ込んで置くこと、更に植えつけ直前に腐葉土を1平方メートルに対し2kg、マイガーデン植物全般用のような粒状肥料を1平方メートルに対し150gを土に混ぜ合わせてから苗を植えて下さい。プランターなどでの育て方の場合は、株の間は20cmまで近づけても大丈夫です。
市販の肥料が既に入っている草花培養土などを利用する場合はそれに加えて牛ふん堆肥と川砂をそれぞれ全体の1割ほど加えましょう。肥料が入っていない土を利用する場合は、粒状肥料を土1?に対して5gの割合で混ぜ込んでから、苗を植えつけてください。庭など地植えの場合は日当たりと水はけのよい場所を選んで育ててください。プランターの場合は、適宜日当たりの良い場所に移動させるとよく育ちます。
夜の気温や冬場の霜には気をつけて下さい。必要に応じて保温することも考えなければいけません。またルコウソウは短日植物なので、夜に照明などの光が当たらないように注意して育ててください。水やりに関しては、特に梅雨明け後に注意し、土が乾きすぎないように、水やりをきちんと行ってください。また真夏は庭植えであっても、朝夕の水やりが必須です。土の中に水が十分染み渡るまで、面倒でもしっかりと水をやりましょう。
特に葉っぱが萎れてきたら十分に水を与えてください。プランターの場合は、土の表面が乾き、白くなってきたら注意しましょう。栄養分に関しては定植後、10日に1度の頻度で良いので、花工場原液等の液体肥料を1000倍に薄めたものや、花工場有機液肥100等を500倍に薄めたものを水やりの代わり与えたり、2ヶ月に1度、マイガーデン植物全般用等の粒状肥料を適量、根元に蒔くことで不足を補うことが可能です。
成分でいうならば、窒素肥料を主に選び、欠かさず与えてください。つるが成長してきた段階でリン酸の肥料も加えるとより成長が著しくなります。その一方で多肥にすると花つきが悪くなるので配分には注意しましょう。ルコウソウは咲き終わった花が自然に落ちる性質を持っています。花の落ちた後、手が届く範囲の花がらをこまめに摘み取る作業も行ってください。
栽培したルコウソウを仕立てる
ある程度育ったら、緑のカーテンとしてルコウソウを活用させる準備を始めましょう。目安は本葉が7、8枚程開いた時で、摘心を行なって支柱とつるもの用ネットを準備してください。ネットの網目は10cm程度を目安とし、両端は丈夫な支柱や金属パイプを通し、しっかり固定することで、つるも安定して規則正しく伸びます。ネットが手に入りにくい場合は、麻ひもなどを活用し、そこに誘引するのが便利です。
麻ひも等を用いると、つるは真っ直ぐに伸びやすくなるので、真っ直ぐに整えたい場合に便利です。基本的につるは上方向に段々と伸びていきます。もし横方向に伸ばしたい場合には、伸びたつるを一旦少しほどいて、横向きとなるようにネットやひもに誘引することで可能になります。この性質を利用して、ある程度自分の思うように方向性をつけることもできるため、緑のカーテンのデザインを自分で考えることも可能です。
ルコウソウの歴史
ルコウソウの原産地は熱帯のアメリカで、暖かい気候の土地に定着しやすいです。日本では本州中部以南に生息しており、1848年から1854年頃の江戸時代、嘉衛年間に観賞用として日本にやってきました。南アメリカやアジア、アフリカ、オセアニアに分布していることから、それらの地域を経てやってきたとされています。現在は野生化している種が多い帰化植物の一つです。薬用成分であるプルギニン酸を含有しており、耳疔、痔ろうや解熱に効果的な薬用植物としても使われてきました。
学名の1つにQuamoclit pennataと呼ぶものがありますが、Quamoclitとはギリシャ語の豆という意味のkyamosに低いという意味のclitosが結びついたものが語源とされており、豆の植物のようなつる状植物で背が低いことからその名がついたとされています。pennataには羽状のという意味があり、葉っぱの形状から名づけたと言われています。また漢字で留紅草または縷紅草とを書きますが、この名前の由来になっている縷は糸のように細い葉っぱ、紅は花の色を指しているのです。
ルコウソウの特徴
サイプレスバイン、カボチャアサガオ、ホソバルコウソウという別名を持っています。ルコウソウはヒルガオ科サツマイモ属に含まれ、マルバルコウやハゴロモルコウなどが近い種類にあたる植物です。葉っぱが糸のように細く、マルバアサガオに似ており、レースのカーテンの様な印象を抱かせます。一方花は7月から10月が咲き頃で、星型で赤やピンク、白の種類があり、直径2cm程の大きさでアサガオと同じ1日花です。
咲き終わった花は勝手に落ちる性質を持っています。タネは硬実種子といって皮がとても硬いです。生息地は畑地や樹園地、牧草地、路傍、荒地など様々です。本来は多年草に該当しますが、寒さに弱い性質から、園芸では1年草として扱われています。反対に暑さと強い日差しには耐性があり、茎部分がつる性で3m以上に伸びることから、緑のカーテンやエコカーテンとして活用されることの多い植物です。
特に初夏から夏にかけての繁茂はよく、日差しを遮るにはうってつけです。花言葉に常に愛らしいがあります。栽培方法もアサガオに似ており、ルコウソウの栽培に困ったときは、アサガオの育て方を真似れば失敗がないと言われる程です。育成にあたって病害虫はあまりいないこともカーテンとしての活用が容易である理由とも言えます。
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