かぼちゃの育て方
かぼちゃの栽培の基礎知識
かぼちゃを育てた経験がない初心者でも育てやすいのは、えびすやメルヘン、小菊ちりめんや近成芳香です。ほかには側枝が出ない品種や暖かい地域では日本かぼちゃ、寒い地域では西洋かぼちゃが栽培に向いています。
品種の特徴と好みに合わせて、自分で好きな品種を選びます。初心者は苗からの栽培をするようにして、植え付けは5月上旬に行います。傷みやすい野菜なので、直径15センチ程度のビニール鉢を使って育てるようにします。
苗から栽培をしたかぼちゃは、約2か月程度で収穫出来るようになります。あまり大きくならないうちに収穫して、1か月程度寝かせて甘みを引き出してから食べるようにします。種付けをする場合は、畑に60センチから1メートルの間隔を空けておきます。
一か所の穴に3粒程度蒔いて、蒔いたあとはたっぷりの水を与えます。早ければ種付けをして4日、遅くても1週間程度で発芽します。3月のまだ寒い季節に種付けをする場合には、上からビニールを被せるようにします。
栽培に適している10度から29度に保つように注意して、発芽しやすい環境を整えます。逆に30度以上になってしまうと発育に影響が出てしまうので、暑くなり過ぎないようにします。育て方の基本である土作りは、種付けをしたり苗を植える1か月前から始めます。
土の種類や質はあまり関係ないのですが、出来るだけ水はけの良いものを選ぶようにします。特に有機質に富んでいる、中性の土がかぼちゃに適しています。土を準備したら、そこに緑肥を埋めておきます。
緑肥は畑の漢方と言われていて、農薬や化学的な肥料と違い自然環境にも優しい肥料です。種付けや苗を植える2週間前になったら、堆肥やボカシ肥料をまいておきます。湿気を嫌うので、うねは少し高めの15センチ程度に設定します。
かぼちゃの栽培中の育て方
育て方は発芽したり、ある程度苗が育つと丁寧な手入れが必要になります。きちんと手入れを行うことで、立派なかぼちゃを育てることが出来るのです。本葉が3枚から4枚程度出てきたら、間引きを行います。
元気が良い芽だけを残して、ほかの芽を摘み取っていきます。元気が良い芽だけに栄養が行き渡り、無駄な栄養を奪われなくなるのです。面倒で細かい作業のように思われますが、甘くておいしいかぼちゃを育てるためにも大切な作業なのです。
またツルが本格的に伸びてくる前に、下に藁を敷いておきます。藁を敷くと気温を一定に保つことができ、土や虫からツルを守ることが出来るのです。間引きを行ったら、ツルの整理をします。枝や葉が混み合わないように、枝切りをして整理します。
伸びている子ヅルだけ4本残して、あとは取り除いてしまいます。側枝が弱い場合には、3本だけ残しておくようにします。無駄な枝を伸ばさないように、摘心も行います。本葉が6枚以上で始めたら枝の先の芽を摘み取って、子ヅルを残しておきます。
親ヅルは切ってしまって、整理します。また弱っている子ヅルや、孫ヅルも切り落としてしまいます。この摘心は西洋かぼちゃとペポかぼちゃには必要のない作業で、日本かぼちゃだけに行う作業です。自分が育てている品種を確認して、作業を行うようにします。
収穫の1週間前になると、玉直しを行います。曲がったままになっている実や、色味が少ない実を整えるために行います。形がおかしい実をツルの部分を持ち上げて、直しておきます。2日ごとに向きを変えて、まんべんなく太陽の光が当たるようにします。
太陽の光をバランス良く当てることで、きれいな色になっていきます。またたっぷり光を与えれば、甘くなります。かぼちゃは受粉をしないと実をつけないので、庭や畑に虫がいない場合は人工授粉を行います。
早朝に雄花の花粉を柔らかい筆などで取って、雌しべの先に付けてあげます。受粉の作業が終わったらボカシ肥料を蒔くと、順調に育っていきます。受粉から3か月から4か月で、収穫の時期を迎えます。
人工授粉は早い時間帯に受粉をすることで効果を上げることが出来るので、なるべく早い時間に作業するようにします。遅くても午前8時から9時までに行うようにして、成功率を上げるようにします。
かぼちゃの育て方の注意点
形が良いかぼちゃを育てるためには、きちんと種や苗を買って育てることです。家で食べたかぼちゃの種をそのまま植えてしまうと形がいびつになってしまうので、ホームセンターなどで購入することが大切です。
また一つひとつの実がまんべんなく太陽に当たるようにすれば、バランスの取れた形になります。病気を防ぐためには、土の水はけを良くしておくことです。排出を改善することで風通しが良くなり。元気に根元が育つようになります。
窒素肥料を少なくして、葉や株のすき間を空けておくようにします。多くの雨が降った翌日などにも病気が発生しやすくなるので、水のやりすぎには十分注意するようにします。
栄養を与える追肥は1か月に1回程度行い、1回目の追肥は雄花が咲くまでに済ましておきます。2回目は1株に1個から2個程度実がついたころ、ツルの先に肥料を与えるようにします。
かぼちゃの歴史
生息地はインドのネイル河沿岸やペルー、南アジアやアンゴラなど様々な説があったのですが、ここ数年の間に研究が進められ、中南米が原産地だと判明したのです。中南米の遺跡からかぼちゃの種が発見され、この説が有力視されるようになったのです。
ですからかぼちゃの原産地はメキシコとガテマラにあたる中南米地域とされるようになり、古代アステカやインカ、マヤの人々もかぼちゃの種を食べていたということが分かったのです。
昔の品種は果肉部がとても苦く、薄くて食べられる部分も少なかったので種だけを食べていたのです。土器を作る技術や知恵がなかった時代には、果実の大きなペポかぼちゃの中でも、外果皮が厚くて硬いものは種と果肉部分を取り除き、乾燥出せて水や食料を貯蓄するための容器として使われていたのです。
それからしばらくすると突然変異によって、果肉も食べることが出来る甘いかぼちゃが誕生したのです。これをアメリカの原住民が見つけ、栽培種となっていったのです。
かぼちゃの特徴
苦さや酸味が特徴的な野菜があるなかで、甘い野菜ということが一番の特徴です。フルーツのような甘さを持っているので、洋食やデザートに多く使われています。緑黄色野菜として一般的に知られているかぼちゃはとても栄養素が豊富で、冷え性などの様々な症状にも効果があるとされています。
特に体内でビタミンAに変化するベータカロチンが豊富で、粘膜や皮膚の抵抗力を高めてくれます。生活習慣病やがんの予防にも効果があり、老化を早めたりがんを誘発する活性酸素を防ぐ役割があります。
心筋梗塞や狭心症の原因となるコレステロールの増加を防ぎ、体内のコレステロールを減らすことも可能です。ベータカロチンは果肉よりもわたや皮の部分に多く含まれていて、出来るだけ果肉とわた、皮を一緒に調理することが望ましいとされています。
腸の調子を整えたり、ダイエットにも効果的な食物繊維を多く含んでいるのも特徴的です。生活習慣病や虫歯などの予防にも効果があり、多くの健康効果が期待されます。ベータカロチンと同じように皮の部分に多く含まれている栄養素などで、皮も一緒に食べるようにします。
またビタミンCが含まれているので、美肌効果も期待出来ます。ビタミンCは美しい肌を作るために必要なコラーゲンの生成に必要なもので、きれいな肌を作ることが出来ます。風邪の予防となる栄養素なので、寒い時期の風邪予防にも役に立ちます。
野菜の育て方など色々な植物の育て方に興味がある方は下記の記事も凄く参考になります♪
タイトル:カボチャの育て方
タイトル:キンシウリの育て方
タイトル:ミニカボチャの育て方
タイトル:ミニゴボウの育て方
-
ツツジの育て方
ツツジもまたピンク色のものから赤っぽいもの、紫や白いものがあり、古来より人々の目を楽しませてきました。現在でも春になると...
-
バイカカラマツの育て方
バイカカラマツとはキンポウゲ科の植物で、和風な見た目やその名前から、日本の植物のように考えている人も少なくありませんが、...
-
ポーチュラカの育て方
ポーチュラカの原産地はメキシコや南アメリカといわれています。日本には1980年代にドイツから入ってきたとされています。高...
-
サンチュの育て方
サンチュの歴史は、古代エジプト時代に栽培が始まったとされており、朝鮮半島では4~6世紀頃の三国時代から食されていた野菜で...
-
ツバキの育て方
ツバキ属は科の1属で、生息地は日本や中華人民共和国、東南アジアからヒマラヤにかけてです。日本原産の花で日本国内においては...
-
チコリ、トレビスの仲間の育て方
チコリはキク科キクニガナ属の植物で、和名はキクニガナと言います。フランスではアンディーヴと言う名の野菜で、広く生産されて...
-
タマシャジンの育て方
タマシャジンとは西アジアからヨーロッパが原産地のキキョウ科フィテウマ属の多年草です。アルプス山脈などの高山地帯の岩場など...
-
トリテレイアの育て方
トリテレイアは、ユリ科に属する球根性の多年生植物で、かつてはブローディアとも呼ばれていました。多年生植物というのは、個体...
-
カブの育て方
カブはアブラナ科アブラナ属の越年草で、アフガニスタン原産のアジア系と、中近東〜地中海沿岸が原産のヨーロッパ系の二種類に分...
-
コロカシアの育て方
コロカシアの原産と生息地は東南アジアや太平洋諸島です。それらの地域ではタロという名前で呼ばれていて、主食としてよく食べら...
生息地はインドのネイル河沿岸やペルー、南アジアやアンゴラなど様々な説があったのですが、ここ数年の間に研究が進められ、中南米が原産地だと判明したのです。中南米の遺跡からかぼちゃの種が発見され、この説が有力視されるようになったのです。