プリムラ・オブコニカの育て方

プリムラ・オブコニカの育て方

プリムラ・オブコニカはサクラソウ科サクラソウ属に分類される植物で、和名は常磐桜と呼ばれています。中国西部が原産の多年草になり、1800年代後半にヨーロッパで品種改良が行われました。

育てる環境について

柔らかい日差しが当たるような場所を好み、半日陰でも丈夫に育ちます。暑さに弱いので直射日光は避けるようにして、日差しが強くなりそうな時はレースのカーテンなどで光を和らげます。花付きを良くしたい時には半日陰に置くよりもなるべく明るい場所で育てるようにしてください。

プリムラ・オブコニカは寒さにも弱いので、育て方には十分注意して、気温が低い時には室内で管理します。ただ暖房のきいた場所に置いておくと花茎が細長く伸びてしまうこともあるため、室温の高い場所は避けるようにしましょう。5度以上の温度があれば十分育ち、生育の適温は20度前後になります。

暖房の風が直接当たるような場所も、プリムラ・オブコニカを育てるには向いていない場所です。プリムラ・オブコニカが枯れてしまう原因の多くは、暑さ・寒さなどの温度に対応できないことで起こります。温度管理や水やりをきちんと行っているのに、葉が頻繁に枯れるようになった時には、

根が伸び過ぎて鉢の中で詰まっている可能性があります。下部の鉢穴から根が伸びている場合は植え替えを行いましょう。植え替えた後は半日陰の涼しい場所で管理してください。プリムラ・オブコニカを多年草として楽しむには、涼しい環境を作って夏越しすることが大切になりますが、

管理が難しい場合には終わった花をそのままにしておき、種をとって植付けする方法もあります。育てる地域が比較的寒冷な地域で十分に夏が越せる環境にある場合は、同じ株で翌年も楽しめるため、養分が分散しないように終わった花は種ができる前に取り除くようにしてください。

種付けや水やり、肥料について

プリムラ・オブコニカの種まきは6月から7月、または気温が下がって涼しくなってきた9月中旬から10月頃が適しています。種がとても小さいので、ピートモスなどに種まきをして受け皿から給水を行い日陰に置いて発芽させます。本葉が2~4枚になったらポットに仮植えをして、

株がしっかりしてきたら鉢に植えつけます。プリムラ・オブコニカに使用する土は、水はけの良い赤玉土と腐葉土を混ぜたもの、あるいは市販の培養土などを使います。乾燥よりも湿っている環境を好むので、土の表面が乾いたらしっかりと水やりを行います。

水切れしてしまうと葉がしなってきますが、水やりをしてしばらくすると茎や葉がもとの状態に戻ります。水を与える際には葉や花に当たらないように注意してなるべく根元にかけるようにしてください。プリムラ・オブコニカはカビが生えやすいので、

水分がついた状態で葉や花を放置しておくと、病気が発生することがあります。鉢受けに水を入れて下から吸わせる方法もありますが、1日中水を入れたままにしておくのは避けてください。肥料は緩効性のリンやカリが多く含まれている置肥を与えて、

開花時期には花をたくさん咲かせるために液体肥料などで追肥をします。夏の暑い時期には株が弱ってしまうこともあるため、肥料は与えないようにして、気温が下がった10月くらいから再び緩効性の肥料を与えるようにします。苗を育てる場合は月に2回薄めた液体肥料を与えます。

増やし方や害虫について

種以外でプリムラ・オブコニカを増やす時は、株分けをします。根に付いた土を払い落してから、手で株を分けていきます。株分けは9月が最適になり、分けた株は新しい土に植え付けします。病気で気をつけたいのは、灰色かび病です。多湿の時期に多く発生し、

春先から梅雨にかけてと秋から冬の間の気温が低い時にかかりやすくなります。灰色かび病を予防するには、葉や花をなるべく濡らさないようにして、咲き終わった花がらや枯れてしまった葉などはすぐに取り除くようにします。灰かび病が進んでくると斑点ができて、

やがて花が腐ってカビに覆われてしまいます。また、気温が高くなってくると軟腐病にかかることがあります。これは高温多湿の環境で発生する病気で、細菌が原因となります。傷ついた組織から感染するので害虫を予防して、風通しの良い場所で育てるようにしてください。

プリムラ・オブコニカに多く発生する害虫は、ナメクジ、ヨトウムシ、ハダニ、アブラムシです。ヨトウムシは昼間は土の中に隠れている場合もあり、春から秋にかけて多く発生します。ナメクジやヨトウムシ共に夜行性であり、葉を食べてしまうので、

そこから細菌に感染して軟腐病になる可能性もあります。害虫を見つけた場合は被害が大きくなる前に、薬剤を散布して早めに駆除します。アブラムシやハダニなどは小さいので見つけにくいのですが、葉の裏側や茎、株などをこまめに観察して見つけ次第駆除するようにします。

プリムラ・オブコニカの歴史

プリムラ・オブコニカはサクラソウ科サクラソウ属に分類される植物で、和名は常磐桜と呼ばれています。中国西部が原産の多年草になり、1800年代後半にヨーロッパで品種改良が行われました。園芸種では500種類以上が存在していてたくさんの色や形のプリムラを見ることができます。

同じサクラソウ属でも日本を生息地としているサクラソウはプリムラとは呼ばず、主に品種改良された西洋サクラソウをプリムラと言います。プリムラ・オブコニカの学名は「Primula obconica」、英名は「German Primrose」または「Poison Primrose」です。

名前にポイズン(毒)が入っているのは、プリムラ・オブコニカの茎や葉に触れると肌がかぶれることがあるためで、葉や茎に細かく生えている毛に含まれるプリミンという成分が皮膚に付いて、炎症や色素沈着を起こすことが由来となっています。

近年では品種改良によってプリミンを出さないプリムラが市場に出回っていて、「Touch Me(タッチミー)」という種類は触ってもかぶれる心配がないので、皮膚の弱い方でも安心して栽培できる品種になっています。このように新しい品種はかぶれることは少ないのですが、

昔からある品種を育てる場合には、皮膚の弱い方は手袋などでプリミンから肌をガードしてください。プリムラ・オフコニカは寒い時期に開花することから、冬場の花壇に彩りを添える花として人気があります。

プリムラ・オブコニカの特徴

プリムラ・オブコニカの開花時期は12月から4月になり、冬から春にかけて色鮮やかな花を楽しめます。株の中心からまっすぐに伸びた長い茎から、直径3cmから5cm程の花が複数咲きます。草丈は20cmから30cm程度まで育ち、白、赤、ピンク、紫など色鮮やかなものから、

淡くやさしい雰囲気のものまで、さまざまな色合いの花があります。咲き始めは薄い色ですが、花が育つにつれて次第に色が濃くなってきます。プリムラ・オブコニカは多年草ではありますが、高温多湿に弱いため夏の暑い時期にに枯れてしまうことも多く、

毎年種をまいて育てるなど一年草として取り扱われることもあります。プリムラ・オブコニカの花言葉は富貴や幸福感、運命を開くなどで、長期間花を楽しむことができて園芸初心者でも比較的簡単に育てられるため、ギフトとして取り扱われることも多い花です。

購入する際には、葉や茎の数が多く茎が間のびせずにしっかりとしている物を選ぶようにします。日当たりの良い場所を好みますが、日照が不足しがちな場所でも育つので置き場所が限定されず、寄せ植えなどにも向いています。花が咲き終わってしおれた時には花がらはこまめに摘んでおくようすると、次の花が咲きやすくなります。

枯れてしまった花や葉は早めに摘み取っておくと、たくさん花が咲くので長い期間楽しめて、枯れた葉から発生する病気の予防にもなります。また茎についている花の下の方が枯れてきた場合には、他の部分に花が付いていても茎ごと切ってしまいます。こうすることで、他の茎に養分がまわり新しい花茎が伸びてきます。

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