ピーマンの育て方
ピーマンの種付け
野菜の育て方を解説したサイトや、野菜の栽培方法の書籍を読んでみても、種付けからの育て方を紹介していることは少ないです。なぜかというと、初心者が行うには種付けからの栽培は難易度が高いからです。
ですが、今回はあえて種付けからのプランターを使ったピーマンの育て方を紹介したいと思います。手間ひまかけて種から育てたほうが、愛着もわくでしょうし、よりおいしく食べることができるはずです。ちなみに、普段家庭で料理に使うピーマンはまだ若いうちに収穫したもので、種も完熟しきっていないので、そのまま土に埋めたとしても発芽する可能性は低いです。
カラーピーマンや秋頃のものは、萎びてくるまで置いておいてから植えると発芽する可能性が少しあがりますが、やはり種はしっかり買ってくるのが一番確実です。まず、苗を買ってきて植えるとしたらこのくらいの時期に植えたい(だいたい6月頃がぴったりです)というときから約2ヵ月前に種付けを始めます。
栽培する場所の気候にもよりけりですが、4月頃が妥当です。ピーマンは弱酸性の土壌を好むため、土に石灰を混ぜておきます。理科の授業などでよく見かけたビニール製の鉢(ポリポット)に、よく耕したふかふかの土を入れ、3?5ヵ所ほど指で軽く穴をあけて、種を埋めます。
発芽するためには15?25℃必要なため、4月であれば暖房器具や加湿器が必要になるでしょう。基本的に水やりは日に1度でいいのですが、発芽まではとにかくデリケートなので、水をやりおわったら湿った新聞紙をポットの上にふわりとかけるなど、乾燥を防ぐための工夫をしたほうが確実です。
芽が出たとき、本葉が2,3枚になったときに、発育の悪いものを間引きます。本葉が増えてきたら最後の1本になるまで間引き、1つめの花の土台ができた頃にプランターに植え替えることになります。ピーマンは意外と大きく育ち、根もしっかり張るため、プランターはできる限り容量の大きなものを選ぶことが、根詰まりによって枯れてしまうことを防ぐためには必要です。
ピーマンの花から実
プランターに植え替えた後、支柱を立てます。支柱は、植え替えたばかりのものにはまだ長過ぎる気がするくらいの余裕をもって、100cmほどのものにします。そこへ麻なわなどを使って株をしっかりと結びつけます。
最初の花のすぐしたの枝から上は育つに任せますが、それより下の枝は、風通しと採光のために、混み合ってきたら切ってしまいます。最初の花から3つめくらいまでは、株の負担になってしまうので、実がまだ小さいうちに収穫するようにしましょう。
そのあとの実は、花が咲いてからだいたい20日ほどで収穫できます。実の付け根の部分をハサミなどで切って収穫します。栽培場所にもよりますが、11月頃、寒さが厳しくなるまで実はたくさんなります。うまく育てば、だいたい60個ほどです。
放っておくと完熟して赤いピーマンができますが、ピーマンに負担がかかるので最後の実だけの楽しみにしたほうがいいでしょう。ちなみに、これはパプリカではありません。
ピーマンは、種付けから最後の実を収穫するまでちょうど1年くらいかかます。
ですので、春もそのまま同じ土を使いたくなりますが、ピーマンやナス、トマトなどナス科の植物は連作に不向きです。1シーズン育てあげたら、そのプランターは他の植物に変えるか、あたらしい土で始めることをおすすめします。
ピーマンの栽培のコツと害虫
水と肥料を欠かさないことが大切です。ピーマンは乾燥を嫌い、かつ湿気が多すぎるのも嫌います。水やりは、梅雨明けまでは1日1回、暑さが本格的になってきたら朝と夕方の2回、直接株にあたらないように気をつけながらあげましょう。
肥料は、1つめの実ができてから、2週間に1度くらいの頻度で足します。また、ピーマンにはアブラムシがよくついてしまいます。たとえ高層マンションのベランダで育てていたとしても、どこからかやってきていつのまにかついています。
てんとう虫はアブラムシを食べるので、てんとう虫がいればいいのですが、そうもいかない場合には、草木灰をふりかけるというのが有名な対策です。草木灰というのは、乾燥した植物をいぶすようにして燃やしてできる灰です。
葉や茎の表面が雨などでしめっているときはそのまま、乾燥しているときは草木灰を水に溶いてからかけます。臭いを嫌う虫が近づかなくなり、また、カリウムが含まれているため、ピーマンの成長も助けてくれます。
害虫駆除の裏技として、牛乳をかけるとアブラムシの気道がふさがって死んでしまう・ピーマンにダメージを与えない粘着力の弱いテープ(マスキングテープなど)にアブラムシをくっつけて捨てる、などがあります。
あまりにも数が増えすぎて手に負えないと思ったら切ってしまうのもありですが、なにより効果的な対策は、増えすぎる前に見つけてこつこつ駆除することです。また、プランターでない場合は特に、雑草を生やしたままにしておくとカメムシなどが発生する恐れがあります。丁寧に点検し、環境を整えてあげることが、おいしいピーマンのためにも、後の自分のためにもなります。
ピーマンの歴史
現在は家庭の食卓にも馴染み深いピーマンですが、実はナス科の植物だということはご存知でしたか? ピーマンは熱帯アメリカ原産のナス科カプシクム属で、唐辛子の仲間です。熱帯うまれなだけあって、25℃ほどのあたたかく太陽の光がよくあたる場所が生息地です。
アメリカ大陸を発見したことで有名なコロンブスがスペインに持ち込んだことから、ヨーロッパ、そして世界へと広まりました。当時は唐辛子の仲間というイメージが強く、香辛料として使われていました。日本での歴史は16世紀頃からです。
鉄砲やキリスト教が入ってきた時代に、ピーマンもやってきました。江戸時代にはだいぶ普及していたそうですが、まだピーマンが香辛料として扱われていたので、唐辛子に比べて辛味が少ないため、家庭に浸透するのは遅く、第2次世界大戦後のことでした。
現在でも苦手とする人が多いですが、その頃のピーマンは大きく肉厚で、独特の香りが強く、敬遠されていたようです。その後、食べやすいようにと品種改良が進められ、現在の中型で肉の薄い種類が登場しました。
サラダや炒め物の彩りに使われる、鮮やかな赤やオレンジ色をしたものは、パプリカという少し違う仲間の種類です。また、完熟して色が変わってから出荷されるものもあります。くせが少なくて非常に食べやすく、料理に彩りを添えてくれるため、近年消費が大きくなっています。
ピーマンの特徴
まだ若い緑色のうちに収穫し、出荷するため、独特の香りと苦味があります。その独特な香りが多くの好き嫌いを生み出していますが、そんな特徴的な香りは、実に含まれる渋みの元になるポリフェノールの一種に、ピラジンという香気成分が合わさることによって発生しています。
独特の苦味は細胞が壊れることで出てくるため、細胞を傷つけないように縦に切ると苦味の成分が溶けださず、食べやすく調理することができます。また、茹でてしっかり水分をとることで、水に苦味が溶けだし、食べやすくなります。
緑黄色野菜の代表としてあげられることも多く非常に栄養豊富で、特に、ビタミンCはレモンの約2倍含まれています。また、ビタミンCは熱に弱いとされていますが、ピーマンは組織がしっかりしているため、ビタミンCが壊れにくく、加熱調理をしてもビタミン豊富のまま食べることができます。
緑色の元であるクロロフィルという色素には抗酸化作用があり、ビタミンCやビタミンEなど抗酸化ビタミンのはたらきを補い、がんを防ぐ作用もあります。
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