エンジェルストランペットの育て方
育てる環境について
エンジェルストランペットを育てる環境として理想となるのが、日当たりの良い場所です。ただ、熱帯地方原産の植物でありながら、高台で生息をしていた植物の為、暑さにはそれ程、強くありません。ですから、日当たりが良くても、夏場などに日差しが極端に強くなる場合、遮光をしながら育てる事がお勧めです。
ホームセンターなどに行けば、遮光ネットなどを手軽に購入する事が可能です。日差しの状態によっては、こうした遮光ネットなどを利用して、日当たりを調整していく事がお勧めです。それにより、より美しい花を咲かせやすい状態を作る事が出来ます。
エンジェルストランペットの中には、暑さに強いものもありますが、暑さに弱いものも多く、夏場などは気候に対してしっかりと注意をしておくことも大切です。そして、寒さにも弱い為、冬場もしっかりとした対策が重要です。霜が下りない、凍結しないという程、
暖かい地域であれば問題はありませんが、冬場、寒くなるようであれば、気候に合わせた対策が重要です。庭などに直植えをしている場合、寒冷紗をかぶせておくことによって、エンジェルストランペットを寒さから守る事が出来ます。鉢植えの場合、寒くない場所に移動させておきましょう。
寒い場所に置いておくと、枯れてしまう可能性があります。枯れない場合であっても、春になって芽が出るまでに時間がかかり、花を楽しめるタイミングなどが変わってくる可能性にも繋がる為、寒さ対策も重要になってきます。
種付けや水やり、肥料について
エンジェルストランペットを植える場合、種から育てる他、挿し木やとり木という方法があります。これらを行うのは、5月から7月ゴロとなります。種を撒く場合、植木鉢などに種を蒔き、種が隠れる程度の土をかぶせて、種まきは完了となります。
その後、水をしっかりとやっていく事で、発芽へと繋げていく事が出来ます。挿し木の場合、3cmから4cm程度に切った気を、鉢に挿して、根が出るまで育てていきます。この際、切った枝の上下を間違えないように挿していく事が大切です。
とり木とは、樹木の皮の一部を剥ぎ取り、そこに水ゴケを巻きつけた上に、更にビニールを巻きつけ、枝から根が育つ状態を作っていきます。根が育ってきたら、木から切り離し、地面へと植え替えていきます。少し手間はかかりますが、大きく育てたい場合などに、有効な方法です。
種の場合、10日程度で芽が出るのに対し、挿し木やとり木の場合、根が出てくるまでに1ヶ月程度かかる事になります。そんなエンジェルストランペットを育てる土壌で重要になってくるのが、水と肥料です。どちらも、春から秋にかけてはしっかりとした量が必要となってきます。
枝葉が増えてくると、多くの水が必要となってくる為、夏場などは、水を切らさないように注意が必要です。冬場は、土が乾いたら水を与える程度で良く、それ以上与えると、枯れてしまう可能性があります。ですから、季節に合わせて、水のやり方を変えていく事が大切です。
増やし方や害虫について
増やしたい場合、種を収穫し、乾燥させ、5月頃に撒くようにする他、挿し木や、とり木などを行う事で、増やしていく事が可能となります。更に、重要になってくるのが、花が咲き終わった後の仕立て直しです。枝を切ると、次の年に上手く咲かないのではないかと考えてしまう人もいますが、
芽吹きの良い樹木の為、多少、切り過ぎても、またしっかりと新しい芽が出てくる事になります。次の年も、より多くの花を楽しみたいと考える場合、伸びた枝をそのまま残しておきたいと考える人も少なくありませんが、花が咲き終われば、仕立て直しをしっかりとしておく事が大切です。
そして、翌年、5月から7月頃に、枝の一部を切って挿し木を行うか、枝の一部に根を育ててとり木としていくかをする事で、その株を増やし、多くの花を咲かせていく事が出来ます。エンジェルストランペットの葉っぱは、ヨウトムシなどの害虫にやられやすい他、
ハダニも発生しやすい事が特徴です。ハダニが増えると、植物自体が弱ってしまう事になる為、発生に気づいたら、早めに駆除をする事が大切です。ハダニの発生の原因の一つに、高い気温と、乾燥した状態があります。ですから、気温が高くなるにつれ、
常にしっかりと水をやり、乾燥がしにくい状態を作っておく事も、害虫防止に繋がっていきます。多くの葉っぱや花をつける植物の為、大量発生をしてからの駆除は大変です。その為、害虫が発生しない環境づくりを心がけるという事も大切になってきます。
エンジェルストランペットの歴史
エンジェルストランペットは、茎からぶら下がるようにして、ラッパのような大きな花が下向きに咲いていく姿が印象的な植物です。生息地は熱帯アメリカです。熱帯アメリカ原産の植物ですが、暑さには弱く、熱帯地方でも高地に多く生息していました。
その為、熱帯地方の植物でありながら、やや低温状態でも育てる事が可能となっています。霜や凍結の可能性がある場所では、一年を通じて屋外で育てていくという事は出来ませんが、霜や凍結の可能性がない比較的温暖な場所であれば、屋外に地植えをし、毎年花を咲かせていくという育て方も可能です。
ですから、日本でも比較的育てやすい植物として、常に安定した人気を誇ります。ダチュラと呼ばれる、チョウセンアサガオ属の花と混同される事がありますが、ダチュラは花が上向きに咲く事が特徴で、果実にはトゲがあります。それに対して、エンジェルストランペットは、
花が下向きに咲き、出来る果実にトゲはなく、分類はブルグマンシア属となります。華やかで美しい花が印象的な植物ですが、葉っぱや花、種や根には毒が含まれています。その為、ヨーロッパなどでは、暗殺の際に使う毒物を採取する際に使われていたという記録もあります。
更に、日本でも江戸時代には、その強い毒性や、麻薬的な効果から、危険な植物の一つとして知られていました。毒は、傷が付いた手で触れた場合などは、体に影響が出る可能性がありますが、咲いている花を眺める分には問題はありません。
エンジェルストランペットの特徴
エンジェルストランペットの特徴は、見た目が華やかな大輪の花が咲くだけでなく、大株になると、その数は50輪から100輪など、とても多くの花が一度に咲く事です。その為、華やかな庭にしたいと考えた場合など、庭に直植えし、栽培していく事で、5月から11月頃に、とても美しい光景を楽しむ事が出来ます。
更に、その色合いもとても美しい事が特徴です。オレンジ系の色が美しい黄色と呼ばれる色や、花の先の方が淡く優しいピンク色で茎の方に進むにつれて色が白くグラデーション状態になっているピーチ、大きな白い百合のような美しさを持つ白が、代表的な色となります。
これらの美しい色合いの花が、上から何輪もぶら下がった状態で咲いていく為、開花時期は、とても見ごたえのある状態になります。美しい花が印象的な植物ですが、草ではなく樹木にあたる為、一度植えると、何度もその花を楽しめる事でも人気です。
寒さに弱い為、冬場に霜が下りる地域等では、直植えは向かず、冬場には暖かい場所に移動できる状態で育てる方が、次にまた、美しい花をつけやすくなりますが、冬に霜が下りない地域であれば、庭に直植えをしていく事で、株を大きくし、
100輪近くの花が咲く状態まで育てていく事が可能となります。ただ、茎や花、実や根には毒が含まれる植物の為、大きく育てる為の選定などの際は、切った際に出る樹液などが体内に入らないように注意をしておく事も大切になってきます。
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