スイカの育て方
スイカの育てる環境について
生息地から見るスイカは砂漠などの過酷な環境の中で成長をする事からも、日本国内においては幅広いエリアで生産が行われています。北海道などでは6月中旬から8月下旬、山形県では7月上旬から8月下旬、新潟県では6月下旬から8月中旬、
千葉県では5月上旬から7月下旬、長野県では7月中旬から9月中旬、和歌山県では5月の下旬から7月の上旬、高知県や熊本県では周年、沖縄県では12月の上旬から8月頃などが出荷時期と言われており、1年を通しで国内の何処かで生産が行われている事になります。
家庭菜園でスイカを育てる事も可能ですが、スイカは過酷の環境の中でも成長をしてくれますが、栄養をたっぷりを与える事で甘みを増した美味しいスイカを作ることが出来ます。まず、栽培する時期ですが、地域によりことなりますが種まきを3月の下旬にした場合は、4月の下旬頃が定植時期となります。
また、4月の中旬頃の場合は5月の中旬頃に定植時期になるなど、種まきから1か月後に定植時期となります。生育温度は南アフリカが原産と言う事からも、比較的高いのですが、砂漠地帯は昼間と夜の寒暖の差が激しい事からも、生育温度は10度から40度と言います。
高い気温、乾燥した気候を好み、太陽の日差しをたっぷり浴びることが出来る生育環境を作り出す事が甘みを持つ大きなスイカを作るコツです。また、気温としては20度から30度くらいが一番生育が良いと言われており、3月の下旬に種をまいた場合は、8月頃が収穫時期となり、4月の中旬頃の場合は8月の中旬頃から9月の中旬頃が収穫時期になります。
スイカの種付けや水やり、肥料について
種付けは一般的には行わず、苗を購入してのスイカ作りがお勧めです。また、種類として大玉と小玉、大玉の縞王や天竜2号、小玉の赤こだまなどが初心者向きだと言われており、これらのスイカは成長も良く初めての人でも作り易いスイカになります。
尚、スイカは連作障害を持つ果物でもあり、5年から6年の間は同じ場所に作付けを行ってはいけませんが、連作を行う場合には接ぎ木苗を植える事で作付けが可能になります。因みに、トマトを栽培する時は出来る限り水をあげずに、逆に虐めるような形で栽培する事でひび割れが起きたりせずに成長させることが出来ますし、
太陽の光をたっぷり浴びることで甘みも増します。甘みを増すのも水を極力控えるからであり、スイカについても水撒きは極力控えることが甘いスイカを作るコツです。但し、まったく水をあげないのではなく、通常よりも水不足気味に水やりをしてあげると言う事です。
育て方としては、苗を植える2週間ほど前に、1㎡あたり苦土石灰を100gと、堆肥を3kgを混ぜ合わせて土を耕しておきます。また、1週間前には有機配合肥料を1㎡あたり100g入れて土をならしておきます。苗は、1メートルおきに植えてあげて、その後はたっぷりと水をあげておきます。
また、植える場所は10㎝くらいの高さに土を盛っておくことがコツです。成長する事でわき芽が出て来て、つるようになりますので、その時3~4本だけを残して他のつるは切り、有機配合肥料を50~60gほど追肥しておきます。
スイカの増やし方や害虫について
実が実ると誰もが期待をしますが、1番目の実というのは変形をしてしまったり、大きくならない場合が多いので折角形になったとしてもそれは取っておく必要が有ります。これは一種の間引きであり、これを怠ると全体の生育にも影響を及ぼしますので切り取って下さい。
雌花が咲いたら時点で、雄花の花粉をつけてあげますが、これは遅くても朝9時ぐらいまでに行います。これにより実が付くことになりますが、実りが有った段階で株の周りに有機配合肥料を50~60g追肥し、野球のボールほどの大きさに成長した段階で、つるを上にしておいてあげます。
尚、そのままの状態にしておくと、土の上に乗っている部分が変色をしたり、形が悪くなってしまう事もありますし、腐ってしまうので、2週間に1回の割合で横向きにしたり、反対向きに変えるなどして管理をしていきます。また、最終的にはつるが上側になるように置くのがコツです。
尚、1つの株でいくつもの球を作ることは可能ですが、沢山作ることで栄養が行き渡らなくなるなどで甘みも少なくなります。そのため、1株に1~2個だけ実のらせると言う形で栽培をする事で甘くすることが出来ます。甘いものには害虫も多くよってきます。
ワタアブラムシ、ウリキンウワバなどが寄って来た時などは殺虫剤を利用して退治します。また、害虫は色々な所からやってくるため葉などだけではなく、根が来る老熟幼虫なども有り、管理を徹底して、その都度殺虫剤などで防除してあげることが大切です。
スイカの歴史
栽培スイカの原産地と言うのは、色々な説が在ります。しかし、最も有力とされるのが、1857年にイギリス医療伝道者がアフリカ探検を行った時、南アフリカ中央部にある、カラハリ砂漠、熱帯アフリカでもあるサバンナ地帯などのエリアで様々なスイカの野生種を見つけ、それ以降、南アフリカが原産地と言われているのです。
因みに、スイカは漢字で西瓜と書きますが、これはウリ科の果物であることからも西瓜と言った表記になるのです。また、西と言う言葉がついているのは中国の西方となる中央アジアエリアから伝来したことからも、このような名称が付いているのです。
尚、栽培の歴史と言うのは、原産地のカラハリ砂漠やサバンナ近くとなる、古い時代より文化が開けたエジプトやインド、ギリシャに始まるとしており、エジプトなどでは4000年以前に作られたと言われる壁画の中に西瓜栽培が描かれていますし、
ギリシャなどの場合は、西暦紀元初期頃にはヨーロッパ中部からインドまで広まり、中央アジアや中近東と言った内陸乾燥地帯を中心として広まったとしています。また、中国においては11世紀頃に伝来したと言われており、西瓜と言うのは果物の中でも来歴の古い作物と言います。
因みに、スイカは果物であるのか、それとも野菜であるのか、どちらが正しいのでしょうか。同じウリ科のきゅうりなどの場合は野菜として分類されていますが、西瓜については園芸の分野の中では果菜もしくは野菜、青果市場や栄養学上の中では果物もしくは果実と分類されているのです。
スイカの特徴
スイカは緑色の球上に黒い縞模様が入っている果実であり、実を割ると中には熟した赤い果肉が入っているのが特徴です。また、果肉の中には黒い種が無数に入っていて、食べる時はその種に注意をしながら果肉を食べると言う特徴を持ちます。
しかし、最近は品種改良が行われ、果肉の中の種が無いスイカ、果肉が黄色いスイカも登場していますし、中には真っ黒の外観を持つ物などもあり、外側は真っ黒で果肉が赤い色という不思議なスイカも有ります。形状も丸い形だけではなく、
楕円形をしているものもあれば、細長いものもあるなど、色々な種類が存在しているのが特徴です。尚、果肉は水分量が9割を占めると言う特徴も有りますが、水分量が多い事からも利尿作用も有り、小さな子供などが寝る前などに食べるとおねしょをしてしまうなどとも言われています。
因みに、日本において縦縞模様になっている品種が広まったのは、昭和初期頃だと言います。それまでは、模様なども無く真っ黒の外観を持つものが主流であり、これを鉄カブと読んでいたと言います。尚、この鉄カブの果肉と言うのは赤い色のものと黄色いものが在り、
現在の黒いものや果肉が黄色ものは昭和初期以前から存在していたと言う事になり、縦縞模様が入っているスイカの方が品種改良されたものだと言う事になるのです。栄養についてはビタミンやミネラルなども多く含んでおり、甘みが在るにも関わらず、100グラム当たりのエネルギー量は30kcalになります。
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