ドゥランタ・エレクタ(Duranta erecta)の育て方
ドゥランタ・エレクタの育て方
赤玉土と腐葉土を混ぜた用土が最適です。強い植物なので暖かい時期であればいつでも植え替えが可能ですが、根鉢を切って腐った部分を取り除く場合には5月頃に植え替えるのが良いでしょう。根鉢を切ったときには必ず枝も剪定して負担をかけないようにバランスを取ることも大事です。
このドゥランタ・エレクタの置き場所は日当たりの良い場所が良いでしょう。一年を通じてできるだけ日差しの当たる明るい場所に置くことが大事です。元気な株に育てるためには霜の心配がなくなった4月頃に屋外に出して日光に当て管理しましょう。
寒さにはある程度の耐性を持っていますが、霜が降りる秋の終わり前には室内に取り込んで、明るい窓辺で管理するのが良いでしょう。霜に当てないように注意が必要です。水やりに関しては春、秋に関しては鉢の土の表面が乾いてきたらたっぷりと水やりをしてあげます。
水の量が少ないと根が土の表面に集まってしまい、しっかりと張らないので弱い株になってしまうことがあります。必ず鉢底から水が出るくらいたっぷりと上げるようにしましょう。夏場は水分の乾燥が激しいので毎日たっぷり水やりをします。
根が詰まってくると土の文分量が少なく鉢が乾きやすくなるので、夏は朝夕二回の水遣りが望ましいでしょう。逆に冬場は乾燥気味に管理することで寒さに強い耐寒性のある株に育てることができます。
肥料は春から秋にかけて育成期間ですので用土1リットルに6グラムの割合でつぶ状の緩行性肥料を2ヶ月に一回程度やりましょう。2週間に一回程度液体肥料をあげるのも良いでしょう。
冬越しに関しては軽い霜は耐えることができますので関東よりも南では庭植えで冬越しをすることもできます。ただしあまりしもが続くようであれば株がダメージを受けてしまうので、室内に取り込んで育てます。本来は常緑の分類の植物ですが、寒さに当てすぎると秋に落葉してしまいます。
ドゥランタ・エレクタのふやし方と魅力
このドゥランタ・エレクタはさし木や実生でふやせます。 さし木に関しては5月から7月の育成期に充実した枝をカットして下葉をとって残した葉も半分にカットします。切り口に植物成長調整剤を塗ってさし木用土かパーライト、バーミキュライトの用土の鉢にさします。
発根するまで1ヶ月近くかかりますが、発根したら一つ一つを3号鉢に植え替えます。これを鉢上げといい、丈夫な株に育てるための初めの段階です。種付けの場合には黄色く熟した実生を果肉を取り除いて水で洗い、赤玉土などにまきます。
種が見えなくなる程度に薄く土で覆って、乾かさないように管理して一ヶ月程度で発芽します。ドゥランタ・エレクタは病害虫がつきにくい植物ではありますが、それでもアブラムシなどは新芽や花芽につきます。アブラムシを発見したらスプレー式の殺虫剤を使って退治します。
葉の裏に黒い斑点が現れたり、カイガラムシなどの被害にあった時には殺菌殺虫剤などを巻くのが良いでしょう。 鉢花として出回っているこの植物はほとんどのものが矮化剤処理がされているので、コンパクトにまとまっていますが、この矮化剤の効果が切れてくると勢いよく枝が伸び出して、シュートを形成します。
これが本来の姿ですので戸惑うこともありますが、枝を剪定するなどしてコンパクトに維持することも可能です。シュートはカットしてさし木にすることもできます。このドゥランタ・エレクタの魅力はなんといっても花木としても観葉植物としても通用する花や葉の美しさです。
その葉は濃いグリーンで生垣としても使えますし、室内で管理すれば癒しの観葉植物となります。その上藤色の美しい花は房咲きしてまるでぶどうのように華やかに垂れ下がります。色の青さも植物としては珍しいほどで見飽きません。室内でも屋外でも管理できる管理のしやすさもこの植物の大きな魅力となっているのです。
ドゥランタ・エレクタの人気の品種
ドゥランタ・エレクタの人気品種にはライムがあります。新芽が黄色くなり、成長した葉も黄緑で輝く明るさを演出してくれるユニークな葉が魅力の品種です。ライムグリーンの葉はこの品種では珍しいものです。ウァリエガタは濃い緑色の葉の輪郭に乳白色の斑が入るのが特徴的な品種です。
白い斑が入るだけでも明るい印象になり庭を演出することができます。タカラヅカは花が濃い青紫で花弁は白い輪郭に縁どり入る珍しい品種です。花に縁どりが入るので大変立体的に見える魅力があります。また珍しい白い花の品種がアルバです。ホワイトガーデンにドゥランタ・エレクタを取り入れたいという方にも最適な品種です。
ドゥランタ・エレクタの歴史
ドゥランタ・エレクタは南アメリカを中心に30種類があります。和名はハリマツリ、または台湾レンギョウなどと呼ばれることがあります。このドゥランタ・エレクタはクマツヅラ科の植物ですが、このクマツヅラ科というのは馬の乗馬用のムチにその姿が似ているということから初めは馬つづら、と呼ばれそれが変化してクマツヅラになったという説があります。
確かにクマツヅラ科の植物は馬を扱うムチのように見えます。原産が南アメリカのため、暖かい地域を好みますが日本でもよく栽培されています。このドゥランタ・エレクタは以前はドゥランタ・レペンスという名前でぶどうのようなつる性になる、という意味がありましたが、現在では木立するという意味のエレクタが名付けられています。
ドゥランタ・エレクタの特徴
ドゥランタ・エレクタは南米原産でブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ、チリなどが主な生息地です。日本ではデュランタの名前で流通していますが、ハリマツリと呼ばれることもあります。沖縄に自生しているものはタイワンレンギョウと呼ばれるなど地域によってさまざまな名前がつけられている植物です。
こうしたデュランタは庭木や生垣としても広く利用されています。藤色の美しい花は株によっては青みが強くなり青紫に見えることもあります。この花色の美しさからこの品種を選ぶ方がたくさんいるのです。また花の後は黄色の果実も鑑賞することができます。
ドゥランタ・エレクタは南米原産の品種ですが、もう一つ日本で流通しているドゥランタ・レペンスはフロリダからブラジル、そして西インド諸島にまで広くにわたって生息している品種で熱帯性花木です。大きなものは樹高6メートルにもなります。
分類上では常緑樹なのですが、秋冬が南米よりも冷え込む日本では、秋から冬にかけて葉が落ちてしまうことも多くありますので落葉樹として扱われます。花木としても観葉植物としても扱われる花も葉も美しい品種です。
南米などの原産地のように気温が上がれば一年を通して花を咲かせることができますが、日本では春から秋にかけて開花させることができます。垂れ下がった花は花径1センチほどの小さな花が密集しぶどうの房のように見えるほど華やかです。
花のあとには黄色い小さなつぶつぶの実を付けますので大変可愛らしく、実も人気があります。品種改良も進んでおり、白いフチ取りが花びらに入るタカラヅカや黄緑の葉が美しいライムなどが人気です。
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